個人差があるから完全に網羅できる訳はないが参考になりそうなものをいくつか紹介しよう。
- 五段階欲求
人間は無意識に利己的な五段階欲求に影響されて行動しています。
五段階欲求を超えると六段階目の貢献欲求へ行き着く事ができます。
人間関係においてこの概念は大きく関わるので覚えておきましょう。-
生理的欲求
最も根底にある欲求で「ご飯食べたい」「トイレ行きたい」「眠たい」のような生命活動に重要な欲求です。
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安全欲求
「襲われたくない」「怯えたくない」といった生命維持に対する危機を回避して安全を求める欲求です。
日本で生活していれば多くの人は満たされている欲求になります。 -
社会的欲求
これは「家族の一員でありたい」「学校や会社に居場所が欲しい」「団体に所属していたい」と言った仲間意識や助けを求める欲求です。
友達が作れる人なら満たされている欲求です。帰属の欲求と呼ばれる事もあります。 -
承認欲求
「誉めて欲しい」「チヤホヤされたい」「認められたい」といった欲求で、現代に置いて盛んな欲求です。
SNSはこれに依存する人をターゲットに商売しています。営業を仕事にしている人はこのあたりの仕組みを返報性の法則で学んでいます。
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自己実現欲求
「あれが欲しい」「これがしたい」「そうなりたい」といった欲求です。
自分の行いが承認されると主体性を持ち自己研鑽を行うようになります。例えば、仕事の行いを認めると相手はより励もうとします。
挨拶に挨拶を返答すると、相手は挨拶の行いを承認されたと思い、次回からも主体的に挨拶を行うようになります。 -
自己超越欲求
「喜ばせたい」「育てたい」「力になりたい」「役に立ちたい」といった欲求で、他人へ貢献しようとする欲求です。
自己実現欲求が満たされ心に余裕のある豊かな人が持っている欲求です。
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- 単純接触効果
心理効果の1つで、何度も会うと親近感を増す効果です。
恐怖の本質は未知です。
知らないものは、どう対応すれば上手くいくかわかず、失敗して嫌な思いをする可能性があります。
人はネガティブを過大に評価する生存本能があるので、未知を本能的に恐怖します。
即ち安心の本質は既知です。
未知は既知になると安心を得る為、知らない物はどうにかして「こうすれば上手くいく」という事を知れば恐れずに済むようになります。つまり繰り返し会う事で、相手にとって"未知の私"を少しずつ「この人はこういう接し方で上手くいく」「この人はこういう人だ」と知って貰い"既知の私"になる事で、知らない人から知ってる人へ、そして友人へ成る事ができます。
この効果は現実で会う他、メールやSNSでの接触や、広告や看板での接触、テレビや動画での接触も有効です。
政治家はこの効果を利用して町中に名前を書いた看板を設置しています。政治的な事を看板に書けないので無難で効果的な名前を書く手段を選択している訳です。選挙カーが名前を連呼するのもこの理由です。-
挨拶をする
挨拶は理由がなくてもできる低コスト低リスクの機会創出最強ツールです。
何度か挨拶すると安心欲求を満たし「知ってる人」になり、ついでに「私はあなたを知っていますよ」「私はあなたを覚えようとしていますよ」と承認欲求を満たして相手へ成功体験を与えます。
継続すると「いつも挨拶をくれる人」という信用を得て、その信用を頼るように相手から挨拶してくれるようになったりします。挨拶を習慣づけるだけで、他人と報連相しやすい環境が作れて情報が集まりやすい信頼関係が作れます。
一方、必要が無ければ挨拶さえしない人には、中々情報が集まらず相談もしにくい雰囲気になります。例題を考えてみましょう。
学生Aさんと、学生Bさんは、毎朝通学路である家の前を通ります。
お爺さんは決まって縁側に座って通学路を眺めています。
Aさんは毎朝お爺さんへ挨拶をします。Bさんは挨拶せず通り過ぎます。
お爺さんと話しやすい雰囲気を作れたのは、AさんとBさんのどちらでしょうか?
実はお爺さんはめちゃめちゃ博識で人脈豊富なお金持ちだけど質素な生活をしている人かもしれません。
気まぐれでお爺さんが声を掛けるとするなら、AさんとBさんのどちらでしょうか? -
名前で呼ぶ
顔と名前を一致させるのに効果のある手段です。
特に初対面なら名前を間違えても殆どの大人は許してくれます。
間違えるのが怖いなら「もう一度名前をお伺いさせていただけますか」「何度も訊いてすみません」と笑いながら言いましょう。普通は名前を呼ぶ機会は少ないので、意図的に会話に混ぜ込むようにしましょう。
「どうですか?」→「○○さんはどうですか?」
「そういえば~」→「そういえば○○さんは~」
「一緒にどうですか?」→「○○さんも一緒にどうですか?」
「こんにちは!」→「○○さん、こんにちは!」 -
時間より回数
話す場合、時間は70~90分が目安とされています。(ゲームで遊ぶ場合や打合せやイベントは例外です)
また、全てを話しきらずに話が惜しい感じで終わらせるのが継続のコツです。
全てを知ってしまうと満足するので「もっと知りたい」と思う自己実現欲求がなくなります。
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- メラビアンの法則
対面時に優先して何を感じとるのかを唱えた法則です。
諸説ありますがここでは視覚、聴覚、言語の順で優先される説を紹介します。例えば笑いながら叱った場合は、視覚が優先されるので、本当は叱ったつもりでも相手は笑ってると感じます。
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視覚
服装や表情や仕草による、最も影響の大きい要素です。
会って人と話す時は近づくので、何よりも先に清潔感を見られます。ここでいう清潔感とは下記を指します。
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服装
シワや毛玉や汚れが無い、古すぎない、サイズの合った服を選びましょう。
無理に高い服を選ぶ必要はありません。
服や持ち物に見栄を張ると、浪費しがちな人に見えて悪印象の場合があります。慣れてきたら生地にも拘りましょう。
2色~3色程度の配色で派手過ぎないようしましょう。
4色以上だと難易度が高くなります。
2色なら片方を白にしてください。白は黄ばむ前に洗い白を保つようにしてください。 -
眉、ムダ毛、髭
眉形が整ってる。瞼の上に無駄毛が無い。
顎ヒゲがない。または整えている。毎日5分、鏡で自分の顔を見ましょう。
必然的に髪やらムダ毛やら色々整えたくなり少しずつ綺麗になります。 -
体型
標準体型を意識して運動習慣を持ちましょう。
体重としては標準体重で充分です。美容体重やシンデレラ体重やモデル体重である必要はありません。
標準体重とは最も健康でいられる体重の指標です。遺伝やスポーツ特性で骨格が出来ている場合は衣装を着こなしましょう。
体型には上半身が細いA型、全身が細いI型、下半身が細いY型、腰のくびれがあるX型、骨盤の広いO型などがあります。
男性の場合は細身のY体、標準のA体、がっちりのAB体、ゆったりのBB体、大きいE体、K体、T体なども参考になります。
それぞれ体型に合うファッションがあるので王道を学びましょう。
個人的に黒いデニムは外れないと思っています。 -
髪型
美容室で整えてください。
頼み方に迷った場合は、整髪後の予定、仕事、身を置く環境を伝えると察してくれるでしょう。
「仕事が出来そうな感じで」「モテる髪型で」「この後パーティなので」と伝えても合わせてくれます。ワックスを使い始めたい人は、用が無くても毎日セッティングを継続しましょう。
1年で300回以上練習できて必然的に上手くなります。 -
体臭
煙や酒の臭いを纏わっていない状態にして、入浴習慣を持ちましょう。
嫌な物は見なければいいですが、臭いは目を閉じていても感じてしまいます。
好感を与える目的なら消臭しましょう。消臭スプレーは通常サイズを玄関に、携帯サイズをカバンに入れておくと良いでしょう。
夏場は防虫効果と日焼け止め効果がセットになっている消臭スプレーが便利です。洋服は柔軟剤や逆性石鹸を使い、臭いの原因菌が住みつかないよう配慮しましょう。
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顔の肌
赤みはコンシーラ等でケアすると良いでしょう。
テカリはふき取るなどして押さえてください。
洗顔習慣は持ってください。個人差がありますが乾燥肌の場合、石鹸は不要です。
しみ対策は早い段階から始めた方が良いでしょう。 -
爪
爪は長く伸びる前に切りましょう。爪の間の汚れをないように手入れすると良いでしょう。
極端な例を挙げると、本当はお金持ちのボロボロな服の人と、外見だけお金をかけてブランドだらけの普通の人は、印象が違います。
表情についても、険しい顔つきと、笑顔では、笑顔の方が話そうと自己実現欲求が働きます。笑顔は「あなたと居ると楽しい」という承認だからです。
仕草(リアクション)についても、無反応よりも、相槌や驚きや嬉しさがある方が「聴いている」承認になるので、もっと話そうという自己実現欲求が働きます。笑顔が苦手な人、ポーカーフェイスを自覚している人はフェイスビルディングを習慣に取り入れましょう。
口角を上げ、顔が梅干しのようにしわくちゃになるまでギュッとして戻す作業を何度か繰り返し、1~2分続ける習慣を毎日行います。
すると顔の筋肉が動くようになり笑みが出やすくなります。
マスクを付けている場合は、いつでもバレずに口角を上げる練習ができます。 -
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聴覚
声のトーンや速さ、大きさや口調から影響を受ける要素です。
電話のように相手が見えない時は最も重要な要素です。
トーンが高めでゆっくり落ち着いて話して丁寧な口調だと好印象です。
トーンの高さはドレミファソラシドのソの音が良いでしょう。 一方、トーンが低かったり早口だったり大声だったり乱暴な口調だと怒ってるように見えます。 -
言語
言葉の意味や話の内容から影響を受ける要素です。
テキストの場合は最も重要な要素です。
なるべくポジティブな言葉を選びましょう。
好印象を得られる3大要素は容姿が良い、話が楽しい、お金持ちだと言われています。
お金を見せびらかすは道徳的によろしくないですし、見せてもお金目当ての人が寄ってきます。目当ては自分ではなくてお金です。
容姿を整えるだけでも、寄って来る人や得られるものが大きく変わるので、まずは習慣付けを行いましょう。視覚、聴覚、言語の順で優先される事を意識しながら、下記の例を考えてみましょう。
例1:下記の行動をしたら、相手にどう伝わるでしょうか。
[視覚]大きな動作で手を叩く
[聴覚]笑うような大声
[言葉]「あいつマジむかつく
[本心](本当にむかついてる例2:下記の行動をしたら、相手にどう伝わるでしょうか。
[視覚]無表情で微動だにしない
[聴覚]声のトーンは一定で低い
[言葉]「わあ嬉しい
[本心](本当に嬉しい -
- 接し方
好感を与える接し方は欲求別に異なります。
行動パターンを観察するとだいたいどの接し方が良いか察せるようになります。
これが必ず正解という訳ではないですが参考にしてみてください。
人と親しくなるには色んな事を無意識にしてたんだね。