今回は自我について紹介しよう。
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自我
自我とは、自分が自分であるという認識です。
前意識、意識、無意識。そして超自我、防衛機制で構成された心的装置で成り立ちます。リンク先を見ると続きを読めます。運営継続のご協力をお願いします。
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知覚 意識
自分が体験したり学習したりして認識した物事を指します。
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前意識
親から躾けられた教養を指します。
自分の思う常識や正義などが当てはまります。 -
刺激
環境の変化によって認識した物事を指します。
他人からの指示などはここから流れ込みます。 -
超自我 [スーパーエゴ(super ego)]
前意識や自我や無意識や防衛機制と連携しながら、意思決定に影響します。
例えば嫌な事をやりたくないから異見を挙げる場合などです。例)掃除は専門業者に任せたほうが良いと思う。
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自我[エゴ(ego)]
前意識や超自我や無意識や防衛機制と連携し、最終的に意思決定をします。
現実世界に適応できるよう現実原則に従い調整します。 -
防衛機制
不安や衝動を起因として現実に適応しようとします。
例えば協調する為に嫌な事をやって耐え凌ごうとします。例)皆で掃除をしないといけないから私も掃除をする。
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無意識
快感原則に従い、なんとなく意思決定を促します。
不快を避けて、快感を得ようとします。例)痩せたい。しかし食べた方が美味しい。
例)夜勤だ。しかし眠いから寝た方が良いと思う。 -
本能 [エス(Es)]
感情や3大欲求も含む非合理的な衝動を指します。
リビドーはここから流れ込みます。
本能に従うのは自然な事です。
幼い頃は本能のまま言動し共に過ごす人の躾によって前意識が育まれます。
そして自我と超自我と防衛機制が、社会に適応できるよう調整しています。
過干渉など過度な躾が悪影響し防衛機制が過剰になると、あらゆる欲求に歯止めを掛けすぎて主体性が失われたり精神病になる場合があります。 -
- 防衛機制
防衛機制は、自我と超自我が協働して無意識的に用いる手段です。
不快感を弱めたり避けたり、現実に適用させようとして、心理的な安定を保つために働きます。本能と矛盾した際に不安が生じます。
その不安を緩和するのが防衛機制です。
防衛機制は下記の種類があります。- 病理的
5歳以前に多く見られ、許容できない事を否認します。
- 転換
無理な我慢が原因で、身体に異変が現れます。
例)痺れ、脱力感、失声、視野が狭くなる、不食、嘔吐、不眠、過眠、過食、誤嚥困難、嘔吐
- 否認
不安やストレスなど受け入れたくない欲求、体験、現実を認めようとしません。
例)病気だと診断されても、健康だと診断してくれる医師を求める。
例)視界に入っていても入っていない、知っていても知らない、聞こえているが聞いていない、見て見ぬふりをする。 - 歪曲
自分の都合の良いように現実を歪曲して解釈します。
例)「○○すべき」「あなたは間違っている」等の発言
例)「相手が自己中なんだ」等の発言 - 分裂
自分に都合の良いものを善とし、自分に不都合なものを悪として、善か悪かを二極化します。
悪が善を汚染しないよう、善を守ろうと恐れています。例)友達の悪い面を無視する。
例)自分の欠点を他人のせいにする。 - 躁的防衛
悲しみや不都合等があった時に、自分の都合の良いように解釈します。
「優越(征服)」「支配」「軽蔑」に特徴付けられます。例)親である私が子を支配できると思いこむ
例)楽しくないのに楽しそうに振る舞い、他人へ楽しそうな振る舞いを誘発させようとする
- 未熟
15歳以前に多く見られ、精神的苦痛を和らげます。
頻発すると社会的適応に影響が出てしまいます。- 行動化
我慢が問題行動を引き起こします。
大きく「物質嗜癖」と「行動嗜癖」に分けられます。- 物質嗜癖
タバコ、カフェイン、薬、特定の食べ物、砂糖、アルコールなどの過剰摂取
- 行動嗜癖
ギャンブル、摂食(過食・拒食)、過剰なゲーム、インターネット、エクササイズ、買物、窃盗、自傷、暴言、暴力など
- 途絶・遮断
行動や会話が突然中断します。
感情が意識に上がらないようにする為ですが、すぐに戻ります。例)一過性の記憶障害
- 受動的攻撃行動
消極的な態度や行動で相手を攻撃します。
例)無視で困らせる
例)意図的に怠けたり遅らせる
例)意図的に気分が沈んだ状態で接する - 取り入れ
他人の感情や価値観や言動を取り入れます。
例)他人の業績をみて満足する。
例)親に怒られた子が、親の攻撃性を取り入れる。 - 理想化・脱価値化・値下げ
理想と違う物事を過小評価します。
期待外れの相手に対しての皮肉も含みます。例)自分の友達は完璧だと主張する
- 退行
- 幼児退行
他者の意見を鵜呑みにしたり、依存的になったり、怒りっぽくなったり、泣いたり、言い訳がましく責任を逃れます。
また、引きこもったり活動範囲が狭くなったりします。例)やだやだやだ!
- 創造的退行
現実的や理性から解放することで新しい閃きをします。
- 身体化
我慢のしすぎで身体症状が表れます。
例)出社日に頭痛や腹痛が引き起こされる。
例)通勤時間になると熱や吐き気が引き起こされる - 投影性同一化(投影性同一視)
自分の欠点を他人に押し付け責め立て、比べて自分が優れていると思い込もうとします。
例)怠け癖がある自分が、怠けた他人を過剰に責める
例)自分が一方的に嫌いな相手が、自分を嫌っていると思い込む。
例)自分と無関係な他人の噂を鵜呑みにして非難する。 - 投影
自分の感情を、相手が持っていると思い込みます。
例)自分が相手を嫌っているのに、相手が自分を嫌っている事にする。
- 希望的観測
物事が根拠もなく期待通りになるでだろうと思い込みます。
例)ギャンブル依存症の人が来年には飽きると思い込む。
例)言わなくても分かってくれるだろうと思い込む。
例)何度も言い続ければ分かってくれるだろうと思い込む。
- 神経症
年齢を問わず多くみられ、日常に支障ない防衛機制も挙げられます。
- 統制
周囲を過度に統制したがります。
完璧主義者の人が陥りやすい傾向があります。
自分の弱さを認めずに守ろうとします。例)相手を過度に束縛する。
- 置き換え
嫌な感情を、他の何かに置き換えて処理しようとします。
例)喧嘩別れした友達から貰った贈り物を捨てる。
例)八つ当たりする。
例)菓子を極端に我慢して育ち、大人になってから極端に食べるようになる。 - 解離
我慢できない事から身を守るために、感情や思考や体験を切り離します。
切り離した物事は、他人事のように思い込みます。例)トラウマ体験を受けても他人事のように思い込む。
- 外在化
物事を擬人化したり他人事のように扱い客観的にします。
例)未来の自分を応援する。
例)体の痛みを引き起こしているのは、妖怪のせいだと表現する。 - 知性化
受け入れがたい事を知性で理解し納めます。
例)飲酒を止められないが「酒は万病に効くから」と納得する。
例)仲間作りが苦手だが趣味で補おうとする。 - 隔離・分離
受け入れがたい事実を切り離します。
例)鳥を飼っているが鳥肉を食べる。
例)嫌いな人に挨拶をする。 - 反動形成
真の感情と裏返しの言動をします。
例)嫌いな相手に対して、わざとらしく過度に丁寧に接する。
例)好きな子をいじめる。 - 抑圧
無意識に、嫌な事を思い出さないようにします。
例)嫌がらせを受けた事を忘れる。
例)今後の予定に面倒な作業がある事を一時的に忘れる。 - 打ち消し
罪悪感や恥など、過去の過ちを清算しようとします。
清算が終わった後は元に戻ります。例)自分が失言をしてしまったので相手の機嫌を取る。
例)自分のミスで迷惑を掛けた相手の仕事を後日引き受ける。 - 社会的比較理論
周囲と自分を比べて、自分の位置を確かめようとします。
- 上方社会的比較
自分に自信がある場合は、優れている人と比較する傾向があります。
- 下方社会的比較
自分に自信がない場合は、劣っている人と比較する傾向があります。
過度に行うと成長を促せなくなりネガティブ思考になりやすくなります。
例)下には下が居るから自分はマシだと思う。
例)貧しい国の人に比べたら自分は恵まれていると思う。 - 逃避
嫌な事から心理的または物理的に逃げようとします。
- 退避
自分の評価が下がる場面を回避する
例)その場に近づかない
- 現実への回避
関係の無い言動で回避する
例)話を変える
例)勉強したくないから買物に行く - 空想への回避
妄想で現実逃避する
例)ゲームに没頭する
- 病気への退避
病気を理由に回避する
例)宿題やってないから仮病で休む
- 成熟
12歳以降で見られる意識的な防衛機制で社会に適応する為に役立ちます。
- 受容
嫌な事を受け入れるようとします。
例)ペットの突然死を受け入れる。
- 愛他主義・利他主義
自分が損をしても他を優先します。
例)自然環境を優先し、プラスチック製品を使わない。
例)親の希望を優先し、自分の希望を諦める。 - 先取り
将来に保険を掛けようと、現実的な計画を立てます。
例)滑り止めの学校を受験する
- 禁欲主義
好ましくない結果の原因を避けようとします。
例)陰口や噂話ばかりの人に近寄らない
例)愚痴ばかり言い訳ばかりの人に近寄らない - セルフコントロール・自制心・自律
意識的に思考や感情や行動を律します。
例)痩せる為に運動と食事を管理する。
例)怒らないようにする為にアンガーマネジメントを体得する。 - レジリエンス
ストレスや悲しみで落ち込んでも、復帰しようとします。
レジリエンスを体得すると、挫折を乗り越えることが出来ます。例)困難は成長の兆しだと思い込む。
- ユーモア
相手を思いやって笑います。
例)悲しんでる相手に、自分の過去を話して笑とばす。
- 同一化・同一視
対象人物を演じたり、ファッションを似せたり、思想を真似たりします。
例)有名人と同じアイテムを身につける。
- 昇華
芸術や労働などで表現して自己実現をします。
例)感情を絵や音楽にする。
- 抑制
意識的に、嫌な事を考えないようにします。
「抑圧」は無意識で、「抑制」は意識的です。例)嫌な事を忘れる程に予定を詰める。
- その他
- 補償
劣等感を他で補います。
例)成績が良くない事を、芸術で補う。
- 代理
本来の目標からすり替えて不満を満たそうとします。
- 自虐・自身への向け換え
相手に向けたい攻撃を、自分へ向けます。
例)自分の髪を抜く。
例)自分の腕に切傷をつける。 - 合理化
言い訳で正当化します。
例)○○のせいで思い通りにならなかった。
自我が弱いほど防衛機制を使う傾向があります。
過剰に防衛機制を使うと、現実を自分に好都合なように曲解します。
その状態で常習的に用いると、現実と理想の差に不安と葛藤が増し、神経症になります。神経症は不安障害、身体化表現性障害、解離性障害などに分けられます。
不安障害はパニック障害、社会不安障害、強迫性障害、外傷後ストレス障害、全般性不安障害等に分けられます。ここに記載されているのは一部であり、簡略的に記載しています。
より詳細な事は医学の専門書籍や専門家の意見をお求めください。 -
自我状態
感情や思考などに関連した行動様式を統合した仕組みです。
自身の自我は大きく親、大人、子の3つに分類されます。-
親 [P (Parent)]
自身に影響を与えた人々の思考や感情を模倣します。
親という言葉を使っていますが、親の他にも先生、上司、先輩、尊敬してる人、メディアなどを含みます。
また、経験から生み出された妄想上の親も含みます。(「こうしたらきっとこう言うだろう」という妄想など)
ここでいう親は、親の親にも影響を受けています。 -
大人 [A (Adult)]
臨機応変に適応した思考で言動します。
親と子の自我状態から影響を受けつつ、自分の考えを確立します。 -
子 [C (Child)]
幼少時代の経験が影響します。
幼少時代の想像上の親、当時の自分なりの大人、当時の自分なりの子を含みます。
小学生時代に大人ぶったり、子供っぽく演じた経験があるかと思います。
この自我状態が混ざりあって今の自分の考え方や話し方に影響します。
詳しくは交流の気づきで紹介します。 -
幼少時代に教育された超自我が自分の考え方に影響してくるんだね。