第12話

 フムフムはねこのほしへぐんぐん接近しました。
  ねこのほしの上空には白っぽい雲が広がっていて、地上へ近づくにつれて、寒くなってきました。

   「この白いのは……雪なのかな?」

  白っぽい雲は霧のようで地上がおぼろげにしか見えません。
  その中にうっすらと三角のとんがり帽子みたいなものが見えます。
  近づきながらよくよく目を凝らしてみると、それはお城だった事がわかりました。
  そのそばに広がる城下町を見つけ、地上へ降り立ち街を少し見て周る事にしました。

   「やけに静かだなあ……誰もいないのかな?」

  しばらく歩いてみても、全くネコを見かけません。
  すごくネコ通りが少なかったのです。

  しかし、家の中の明かりは薄暗く灯っているようです。
  はっきりとは見えませんが、家の中で暖をとっていることはわかりました。

   「家の中にはいるのか……」

  家の中をのぞき込んでいると、足音が聞こえます。
  街の住人がフムフムの居る道を通行しようとしているようです。
  しかし、まだ気づかれてはいません。
  フムフムはさっと物陰に隠れてやり過ごします。
  隠れる理由は無かったのですが、民家をのぞきこんでいた行為に罪悪感があったのと、アクリスの件を思い出したので隠れた方が良いと思ったのです。

  無事フムフムは見つかる事もなく足音は遠ざかっていきました。
  ほっと一息つきながら、隠れて良かったのかな、別に
 やがて、城下町を抜けたフムフムは、お城の前に立ち、見上げました。

   「おっきーなー」

  城門には見張りらしい見張りが居ません。
  誰でもどうぞと言わんばかりに開いていたのでフムフムはそのまま中へ入ります。
  入口はいってすぐの廊下を少し進むと大きな広間へ出ました。

  「なんだ、客人か?」

  この星に来て初めて声を掛けられ、フムフムはびっくりしました。

  「あ、あの……こんにちは」
  「よくぞ参られた。私はこの星の王、ニャオウだ。何か用かな?」
  「ボクはフムフム。その……」
  「なんだ?」
  「なぜ夜空の星を持って行くの?」

  フムフムはニャオウに聞きました。
  ニャオウの笑みが一瞬だけ歪んだ気がしました。

   「やはり他の星から来た者か……」

  ニャオウは話を続けます。

  「夜空の星は、暖をとるためのエネルギーにしている」
  「やめてくれると助かるんだけど……」

  ニャオウは少し間をあけて話を続けます。

  「やめる事はできん」

  「どうして……?」

  「この星は謎の寒波が続いていて民は苦しんでいる。私は民を守りたい。」

  「それでもボクだって困ってるんだ」

  「我々も困っている」

  フムフムはニャオウの気持ちを理解はしましたが、和解できませんでした。

  「こうなったら……」

  フムフムは構えます。

  「ほう。争うつもりか?」

  かまえたフムフムを見たニャオウは自分の身体の周囲にオーブのようなものを、何処からともなく浮かべました。



  フムフムはフワリフワリと浮くオーブに気を取られました。
  ニャオウはそのオーブから赤い星を飛ばしてきたのです。
  油断していたフムフムは、その赤い星を顔面にくらい吹っ飛んでしまいます。



  イッ――!!



  声にならないような声を発したフムフムは立ち上がります。



   「なにをするんだ!」

   「フムフムとやらが、わからず屋だからだ。仕方がない」

  また赤い星が飛んできました。
  とっさにフムフムはスターチップ草を振り、星屑を飛ばします。
  その星屑は赤い星と当たり、相殺しました。

   「なんだ。そんなことができるのか」

   「やるしかないんだ!」

  フムフムは二度、三度とスターチップ草を振り、星屑を飛ばしました。
  しかし、ニャオウに当たる気がしません。
  ことごとくオーブから出る赤い星に相殺されます。

   「聞け、フムフムよ。私はお前が憎い訳ではない。民を守りたいのだ。」



  「知ってるよ。そんな事――!」


  「この寒さを過ごすには燃料が必要だ」


  「だからって、ボクらの星から持って行かないで!」


  「この星に眠る燃料は使い果たした。訪れる際にこの惑星には星空が無かった事には気付かなかったか?」

  思い返してみるとアクリスと会った際に1つ見かけたくらいで、他にはみていませんでした。

  「――言われてみれば……」

  「私は王だ。民は私がこの問題を何とか解決すると信じている。私は民を守る為に出来る事をしなければならないのだ」

  「そりゃそうだろうけど……」

  フムフムは急に身震いをしました。

   「寒い……」

  何処からともなく、冷気がやって来ました。

   「またか……」

  ニャオウは呟きました。

   「寒くなってきた……ねぇニャオウさん」

  ニャオウはフムフムになにも言いません。

  フムフムはお城を出ました。ニャオウはフムフムを追います。

  外に出るとフムフムは空を見上げました。

  とある方角を見てみると、こちらに向かって雪雲が向かってきていました。

  「あっちになにかあるのかな?」
  「そう、寒さは遠くからやってくる。しかし調査を派遣する余裕がないのだ」
  「なら、ボクが見てくるよ!」

  フムフムは城を後にして寒波が向かってくる方角へ行くことにしました。
  ニャオウはなにも言わずフムフムをじっと見つめて送りました。 
	
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ライター : 紀州桜玲

小説執筆歴12年。全力で頑張って書いてます。
日々精進し依頼を頂くことも増え、実績は着実に増えています!
最近はシナリオ、脚本も担当させていただいており、そちらも勉強しています。


挿絵イラスト : ぱじかわ仮面

アニメ原画、ゲーム等のキャラクターデザインを経て、現在はフリーのイラストレーター・絵コンテマン。
アプリゲーム「7ひきのまめ」原作担当。
Twitterにてオリジナル動物ファンタジー「ぷねことかへるウィズロンリーウルフ」毎日更新中🎵

~ご挨拶~
ご縁があり小説版フムフムの挿し絵を担当させて頂くことになりました!
つやぷに(造語)した可愛いものが好きなので楽しいです💖
素敵な世界観が伝わるようにがんばります!

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