第02話

 フムフムの体を強い風が押し上げました。風に持ち上げられたフムフムは、ポーンと放り投げられるように落下しては押し上げられ、落下しては押し上げられました。

  そして、衝撃と共に草むらへドサッと着地しました。

 「うーん……」 

  落下の衝撃なのか、瞼を閉じていても目がチカチカします。頭がクラクラする状態で、ゆっくり瞼を開くと、すぐそばに明るく輝く草がはえていました。 

 「―――スターチップ草だ」



  茎の先に大きな星形の花をつける、その草の名前はスターチップ草。大きく揺れる度に小さな星屑が飛びだす不思議な草でした。強い風に揺れ星屑が飛び散り、フムフムの目を覚ましたようです。

  ゆっくり起き上がったフムフムは空を見上げました。

 「さっきのは、なんだったんだろう」

  星が動いている原因は誰かが引っ張っていたからでした。でも、どこの誰が何のために星を持って行くのか分かりません。

 「行って、確かめなきゃ」

  スターチップ草を握り、フムフムはタタタッと駆け出しました。ゴゴゴーっと遠くから風がやって来て、そのタイミングに合わせて風に乗ります。そして再び、空高く目指して飛び立ちます。

 「あっちの方角だったよね」

  持って行かれた星は、まだかすかに見えます。 フムフムは力いっぱい羽ばたきました。

  「さっきは音に気づかれたんだ。今度は気を付けないと……でも、どうして痛い事するんだろう?」

  考え事をしながらどんどんスピードを上げます。スピードを上げると耳の動かし方が変わります。車のギアのように羽ばたきに段階があるのです。

 「――見えたっ!」

  とっさに回避の体勢

 「ニャッ!? (やっぱり!) 」

  ビュンっと赤い光がフムフムのそばを飛び去って行く。

(――よけた!!)

 すぐ姿勢を立て直し相手の前へ回りこむ。そして その後を予想して回避の体勢へ――。
 「ニャア!」 

  再び赤い光が飛んでくる。

(やっぱり来た!) 

 回避に成功し、姿勢を立て直しながら相手の姿を確認する――。

 「――猫!?」


  星を持って行こうとしていたのは猫でした。白い毛のなんとも無表情な猫が、夜空の星をくくりつけて持ち出そうとしていたのです。

 「どうして星を持っていくの?」

  猫は表情を変えず答えてくれません。

 「……」

 「……」

  沈黙が続きます。

 「……ニャア!」

  猫が遠くを見て鳴きました。フムフムが振り返ると、遠くに影が見えました。

  あれはなんだろうと見ていると―― ビュンッ―― 猫がフムフムを追い越し、遠くの影へ向かって行きました。

 「あっ、待って!」

  フムフムも力いっぱい追いかけます。 さっきの猫は、遠くの影と合流しました。

  ようやく追い付いたところ、その影は人の大きさほどある事が分かりました。大きな三角帽子を被り、色とりどりの瓶をぶら下げたホウキに乗っています。しかし、月の光が逆光となり顔がよく見えません。

  その影は手を伸ばし、手のひらに赤い光を灯しました。 その光は星の形をしています。


 「……回収班の帰りが遅いと思ったら、邪魔者が入ったのねえ」 
	
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ライター : 紀州桜玲

小説執筆歴12年。全力で頑張って書いてます。
日々精進し依頼を頂くことも増え、実績は着実に増えています!
最近はシナリオ、脚本も担当させていただいており、そちらも勉強しています。


挿絵イラスト : ぱじかわ仮面

アニメ原画、ゲーム等のキャラクターデザインを経て、現在はフリーのイラストレーター・絵コンテマン。
アプリゲーム「7ひきのまめ」原作担当。
Twitterにてオリジナル動物ファンタジー「ぷねことかへるウィズロンリーウルフ」毎日更新中🎵

~ご挨拶~
ご縁があり小説版フムフムの挿し絵を担当させて頂くことになりました!
つやぷに(造語)した可愛いものが好きなので楽しいです💖
素敵な世界観が伝わるようにがんばります!

お仕事のご依頼はTwitterのDMからお気軽に🎵
よろしくお願いいたします!

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