「聞いてくれる気になった?」 フムフムはセイリアに聞きました。 「聞くわけないでしょう」 セイリアはそっぽを向きます。そしてすぐにフムフムをにらみつけました。 「邪魔だから消えてよ!」 「そういうわけにいかないんだよ!」 フムフムはスターチップ草を振り回し星屑を飛ばしました。 セイリアは肩を激しくは動かしていないけれど、疲れは溜まっているようでした。なんとかギリギリ、避けることができたような感じでした。 ――シュッ――シュッ――。 それから何度も、フムフムはスターチップ草を振り回し星屑を飛ばしました。 「どうしてそこまで!」 「これが私の仕事だからよ! あなたこそどうして!」 「そんなにもきれいな……」 「この星が薬になるからよ……割れちゃったし……急いでるのよ!」 「くす、り……?」 フムフムは途中で口を閉じると、なんだかモヤモヤとした気持ちになりました。 ――シュッ――。 それでもフムフムはスターチップ草を振り回し星屑を飛ばしました。 それを避けたセイリアは全速力でフムフム向けて飛んできました。 また当たってしまえば、痛くて飛ばされてしまいます。 きっとフムフムの攻撃を避けるのに疲れ、何も考えられなくなったのでしょう。セイリアはガムシャラに突っ込んできたようにフムフムには見えました。 しかし、スターチップ草を振り回し星屑を飛ばし続けてフムフムにも疲れは溜まっていました。 飛んでいるのがやっとという感じで、フムフムはセイリアと正面衝突しました。 フムフムはその衝撃で飛ばされてしまいます。そしてゆっくりと落ちていきます。 その時、セイリアも同じようにゆっくりと落ちていました。ツイートフムフムもセイリアも限界だったのです。 フムフムもセイリアも気を失いました。 後は重力に身を任せて落ちていくだけでした。 だんだんとビューンとスピードが増して、落ちていきます。 地面に落ちる少し前、風がフムフムとセイリアをふわりと包み込みました。 まるで地面がクッションのようで、ゆっくりとそこに寝るようでした。 フムフムもセイリアもまだ目を閉じたまま、起きることはありません。 それから数分……いいえ、数十分かもしれません。フムフムは目を覚ましました。 「いててて……何があったんだ? 僕はいったい……」 フムフムは今の状況がわかりませんでした。辺りを見渡してみると、誰もいません。 「そうだ! セイリアがぶつかってきて、落ちたんだ……セイリアは何処へ……」 見渡しても、セイリアの姿はありません。 フムフムは空を見上げました。 「もう、取らないでくれると良いんだけど……」
アニメ原画、ゲーム等のキャラクターデザインを経て、現在はフリーのイラストレーター・絵コンテマン。
ご縁があり小説版フムフムの挿し絵を担当させて頂くことになりました!
つやぷに(造語)した可愛いものが好きなので楽しいです💖
素敵な世界観が伝わるようにがんばります!
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