第10話

 フムフムはポムの悲しそうな背中を見て、なんだか放っておけなくなりました。

 そして、フムフムは遠ざかっていくポムの影を無意識に追いかけていました。

 会長ネコのバローロと娘のポムと色々とあった事を思い返しました。

彼女達がどうして夜空の星にこだわるのか、どうしてスマートフォンが壊れた事でそこまで悲しむのかをモヤモヤと考えていました。

 どこまで高く飛んだでしょうか。

 どれだけ遠くまで飛んだでしょうか。

 地球からはかなり離れました。

 ほとんど明かりのない宇宙は、お星さまの光が目印でした。

 ポムが進む方に、大きく大きく光るモノがありました。

 近づいていくにつれて、なんだかネコの形に見えてきました。



「なんだか……ネコみたいな?」

 その星のオゾン層か、大気圏か。フムフムはそれぐらいまで接近していました。

「そこのお前! そこでなにをしている!」

 フムフムはその大きな声にビクッと身体を震わせました。

「なにをしているか聞いているんだ!」

 ふり返ると、そこには帽子を被り、マントをヒラヒラさせながら立っているネコがいました。



 右手には一本の剣が握られています。

「なにをって……」

 なにをと言われてもフムフムには心当たりがありません。

 なにも悪いことはしていないからです。

「僕はなにも……」

 胸を張って言えること。それを出来なくしていたのは目の前にいるネコのせいでした。

 剣を持ちこちらをにらみつけています。

 フムフムはその視線に背筋が一瞬凍りました。 

「俺はねこのほしを守る騎士長ネコのアクリスだ。お前! 名前はなんという!」

「フムフムです……」

「ふむふむ……」

 アクリスは納得したように二度頷き腕を組みました。

「そうかフムフムか……よろしく……じゃないんだよ!」

「え……あ、はい。うん」

「何してたんだ?」

「ちょっと気持ちよかったので、散歩をしてただけで……」

 そう、後ろめたいことはなにもしていない。けれど、追い詰められると何故か自分が悪いのではないかと、不安になってしまうのは何故でしょうか。

 ついつい散歩だとごまかしてしまいました。

「俺は王の命により、ねこのほしに入星する奴を監視している。それでパトロールしていたら、お前がいたわけだ。大人しくお縄につけ!」

 アクリスは剣を構えてフムフムに飛びかかってきました。


 ――ビューン――。


 怖くなって背を向けて一目散にフムフムは逃げます。

 アクリスはそれを追いかけます。

「僕は違うんだってばぁ!」

 フムフムは精一杯無罪を訴えます。

「じゃぁ何故逃げる!」

 そして、アクリスに芯を突かれてしまいます。

 だって悪くないのなら逃げる必要なんてないのです。

「切られちゃうってぇ!」

 それでもフムフムには逃げる理由がありました。

 それはアクリスが剣を構えていたからです。
	
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ライター : 紀州桜玲

シナリオライターです。シナリオ、小説、全年齢、成人向けを書いてます。
日々勉強です。


挿絵イラスト : ぱじかわ仮面

アニメ原画、ゲーム等のキャラクターデザインを経て、現在はフリーのイラストレーター・絵コンテマン。
ご縁があり小説版フムフムの挿し絵を担当させて頂くことになりました!
つやぷに(造語)した可愛いものが好きなので楽しいです💖
素敵な世界観が伝わるようにがんばります!

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